2019年9月26日木曜日

アナログ・ファンクションジェネレーターとデジタル・ファンクションジェネレーターの比較

アナログの菊水のMODEL 459は出力がBNC端子で適当なケーブルがなかったので出力をきちんと測定していませんでした。片方がBNC、片方がICクリップのケーブルを作って、自作のデジタル・ファンクションジェネレーターのPCM5102A_FG(+4次バターワースLPF)と出力を比較してみました。


秋月でBNCコネクタを2種購入。




赤いラインが入っている方が秋月の通販コード「C-08868」で、もう一方が「C-08869」です。どちらもメーカーは「JIARONG Electronics LTD.」となっています。赤ラインが150円、無印が110円でした。

比べると赤ラインの方が若干作りがいいかな?という感じです。コネクタに差し込む感触も赤ラインの方が若干きつい感じです。

今回は無印の方を使いました。

ケーブルの作成。


取り扱いしやすいようにケーブルは4φのソフトタイプのシールドケーブルにしました。


はんだ付けはせず、ねじ止めとカシメで取り付け。


はみ出しているシールド線をニッパーでカット


ICクリップ側


仕上がり


ケーブル長は2mにしました。

オシロで波形測定


MODEL 459


サイン波で1kHz/±1Vp-pになるように調節して波形を切り替えて測定しました。

サイン波

正側の頂点あたりでヒゲがみられます。

三角波

矩形波

アナログ的に出力周波数・振幅を設定するので、きっちり合わせるのは難しいです。

PCM5102A_FG


こちらも、サイン波で1kHz/±1Vp-pになるように調節して波形を切り替えて測定しました。

サイン波

ノコギリ波

サイン波で比較すると、MODEL 459の方が若干線の太さが細くなっています。高周波数でいらない帯域が出ていないためだと思います。

WaveSpectraでTHD+Nの測定


WindowsのWaveSpectraでFFTしてTHD+Nを測定しました。

Audio I/F: TASCAM US-144MKII

MODEL 459

PCM5102A_FG

MODEL 459は、全高調波歪が約0.2%、+ノイズが約0.9%、PCM5102A_FGは、全高調波歪が約0.05%、+ノイズが約0.08%。

かなり残念な成績です。高調波歪だけでなくAC電源由来と思われる低周波数でのノイズも大きく出ています。

逆に言えば、自作のPCM5102A_FGは操作性を含めて、かなり優秀なファンクションジェネレーターと言えると思います。PSoC 5LPとI2S DACのPCM5102Aを使って、ほとんど暗中模索で作った割にはよくできたな~と今更ながら我ながら(^q^/

WaveSpectraでFFTした結果15kHzあたりに出ているピークはMODEL 459、PCM5102A_FG両方に出ているのでPCM5102A固有の問題ではなさそうなこともわかりました。

MODEL 459は内部で多数の調整箇所があるので、校正すればもっと良い結果になるかもしれません。(手順書も何もないので手出しできませんが・・・)

オシロでFFT


500kHzまでの高帯域でのノイズの測定です。

MODEL 459 (~500kHz)

PCM_5102A_FG (~500kHz)

PCM5102A_FGでは275kHz、300kHz、400kHz、450kHzあたりにピークが現れていますが、MODEL 459はおとなしい。

さらに高帯域の250MHzまでのノイズです。

MODEL 459 (~250MHz)

PCM_5102A_FG (~250MHz)

こちらもPCM5102A_FGではピークが出ていますが、MODEL 459は静かです。

メモ:


ここ1~2年ほど、音としてアナログの良さを実感してきましたが、こういった正確さ、精密さを要求される場面ではデジタルが断然有利なようです。デジタルも捨てたもんではないな~と再認識しました。

MODEL 459は使いどころが難しそうですが、メリットは高周波数でのノイズが出ないこと、出力振幅が大きくとれることでしょうか。

PCM5102A_FGも出力部のフィルター/アンプの性能を上げられれば、この点でもアナログ・ファンクションジェネレーターに追いつけるかもしれません。

低歪、低ノイズの1kHzのサイン波だけを出力するのに特化したアナログ発振器も使いでがあるかも?

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