今回はNJM13600、NJM13700で内蔵のTrの出力バッファを使うのとOPAMPのボルテージフォロワーを使う2通りでやってみた。
等価回路図
NJM13600とNJM13700の違いは、NJM13600の方が出力バッファのダーリントン接続の1段目のエミッタから増幅率を決めるバイアス入力回路のあたりにつながっていて、出力バッファとバイアス入力がなんか関係ありそう。と、いうことぐらいしかわからない(^q^;
TIのLM13600とLM13700のDATASHEETはもう少し詳しく書いてありそうだが、英語なので気が向いたら読むかも。(そもそもコンパチなのか?)
ボルテージフォロワーを使う
回路図
回路図の下の方は電圧→電流変換回路でGND~1Vの電圧を電流に変換してNJM13600/13700のAMP BIAS INPUT(1Pin)に入力している。
ブレッドボード図
回路はNJM13600もNJM13700も同じもの。
NJM13700+ボルテージフォロワー
電圧→電流変換回路に入れた電圧とNJM13700→ボルテージフォロワーからの出力電圧をオシロで測定。オシロのキャプ画は記事の最後に掲載。
バイアス電圧(mV) | 0 | 200 | 401 | 602 | 801 | 989 |
---|---|---|---|---|---|---|
出力電圧(mV(p-p)) | 264 | 520 | 784 | 1020 | 1240 |
電圧で入力波形の振幅をほぼリニアに制御できている。
NJM13600+ボルテージフォロワー
NJM13700をNJM13600に差し替えて測定。
バイアス電圧(mV) | 0 | 201 | 400 | 601 | 800 | 996 |
---|---|---|---|---|---|---|
出力電圧(mV(p-p)) | 13.78 | 500 | 920 | 1340 | 1720 | 2060 |
若干対数カーブになっている感じ。
内蔵Trバッファを使う
回路図
出力バッファのT2、T3はほんとは内蔵だが(IC1Aの7,8Pinにつなぐ)わかりやすいように外に書いておいた。R1、R7の値はLM13700のDATASHEETのApplication Noteに載っていた値を使った。
NPN Trなので入力波形の負側(+VBE*2)では動作しないのでR1とR8でバイアスをかけている。(実測値+2.51V)
ブレッドボード図
電圧→電流変換回路は割愛。
NJM13600+Trバッファ
バイアス電圧(mV) | 0 | 200 | 401 | 600 | 799 | 999 |
---|---|---|---|---|---|---|
出力電圧(mV(p-p)) | 32 | 168 | 296 | 432 | 552 | 69 |
まあまあリニアに制御できている。
NJM13700+Trバッファ
バイアス電圧(mV) | 0 | 202 | 399 | 601 | 800 | 999 |
---|---|---|---|---|---|---|
出力電圧(mV(p-p)) | 40 | 176 | 336 | 472 | 624 | 776 |
まあまあリニアに制御できている。(ちょっといびつ?)
電圧→電流変換回路の測定
Trバッファの回路で出力をNJM13700の1Pinにつないだ状態で電圧→電流変換回路の入出力をテスタで測定した。
入力電圧(mV) | 202 | 399 | 601 | 802 | 999 |
---|---|---|---|---|---|
出力電流(uA) | 11.1 | 22.2 | 33.3 | 44.5 | 55.3 |
電圧→電流変換回路もまあまあリニアに変換できてると思う。
データーシートの特性例を見ると
増幅率を決めるバイアス電流は数uA~数100uAの範囲で制御できそう。
入力波形の振幅
90mV(p-p)程度のサイン波を入力して測定したが、これ以上の振幅で入力すると波形が歪む。
NJM13600+Trバッファ 100mV程度
NJM13600+Trバッファ 150mV程度
データーシートの特性例を見ると
なので入力波形の振幅が100mV(p-p)ともなるとかなり歪むようだ。「ダイオード使用」とは2,15Pinのことだと思うが、使い方がよくわからん。
メモ:
内蔵Tr(エミッタフォロワ-)とボルテージフォロワーで出力を増強したが、バッファを入れない場合も見た方がいいかな?バッファを通すと出力電圧がかなり違うようだし。
ボルテージフォロワーでバッファリングした時NJM13600だと少し線形性が失われるている感じだし、NJM13600とNJM13700で増幅率が倍ぐらい違う。等価回路図から推察すると内蔵Trでバッファリングしない場合も「BUFFER INPUT(7,10Pin)」にOTAからの出力を入れてみるのもありかな?
OPAMPを使うと素子数が増えるがGNDレベルの振幅になる。Trだと出力が正側に寄ってしまうので出力はACカップリングしないとダメそう。あ、TrでもエミッタをGNDではなくてV-に接続すればいいのか(@@?
内蔵Trをバッファとして使うなら、電圧→電流変換もTr一発の回路等、素子数を少なくする方向でやったほうがいいかもしれない。
大筋では動作するようなのでもう少し実験してみる予定。
以下、オシロのキャプ画です。
NJM13700 + ボルテージフォロワー
電圧→電流変換回路への入力電圧:200mV
ch1:OTAへの入力 ch2:バッファからの出力
電圧→電流変換回路への入力電圧:401mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:602mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:801mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:989mV
NJM13600 + ボルテージフォロワー
電圧→電流変換回路への入力電圧: 0mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:201mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:400mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:601mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:800mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:996mV
NJM13700 + 内蔵Trバッファ
電圧→電流変換回路への入力電圧: 0mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:202mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:401mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:601mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:800mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:999mV
NJM13600 + 内蔵Trバッファ
電圧→電流変換回路への入力電圧: 0mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:200mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:401mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:600mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:799mV
電圧→電流変換回路への入力電圧:999mV
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