2017年5月31日水曜日

キックマシン KIK01の妄想

Sonic AcademyのKICK2というソフト音源がある。キックに特化しためずらしいシンセだ。

おためし版を少しいじってみたが、操作もかんたんでいろんなKICK音を作れる。

KICK音と言えば、サンプル・サウンドを切った貼ったして好み音を作るというのが普通だと思うが、KICK2はアナログモデリング音源とサンプラー音源の合わせ技で音作りする。

ソフト音源としてはかなりおもしろい音源だと思います。

で、KICK2にインスパイアされて、マイコンとアナログ回路でキック音源を作れないかな~と考えてみた。

リズムマシンからの派生


以前PSoC 5 LP Protyping Kitを使って作ったリズムマシンはまあまあ使えはするが、MPUで波形から振幅変調、音の合成をすべて行っていて、チープな感じが拭えない。せめてキックだけでも音のバリエーションを増やせないかという目論見。

妄想図

上から二段目の「アナログ音源」と書いてあるあたりが今回の妄想。

KICK、SNR、TOMは音の作り方としては、サイン波を振幅変調するのが基本なので同じくくりにしてみた。

TR-909の波形



これはTR-909のKICKのサンプリング波形で、基本的にサイン波を振幅変調しているのがわかると思う。以前TR-808のKICKと比較してみたが、TR-909は周波数変調も行っているようで最初は周波数が高く、徐々に低周波数に変化している。

妄想図に書いたように今回はサイン波を周波数変調したく、3つぐらい考えてみた。

1) サイン波発生器をフルアナログでやればアナログVCO。マイコンでエンベロープを生成してやって、電圧値を出力すれば周波数変調できる。ただしサイン波のアナログVCOは製作が大変そう。

2) デジタル・ポテンショメータを使えばマイコンで抵抗値を制御できるので、例えばウィーンブリッジ回路(参考「小ネタ実験: ウィーンブリッジ正弦波発振回路の実験」)を使ってアナログ的に周波数可変の正弦波生成ができそう。

3) マイコンで波形を生成する。つまりVCOはデジタル音源となる。一番かんたんそうだ。後段にアナログVCAで振幅変調するのでそこそこアナログチックな音になるかもしれない。

エンベロープ波形


一番悩んでいるのは、エンベロープの波形だ。1)のVCOならエンベロープ波形(電圧値)を例えばCR LPFを通してやればアナログチックな波形になりそうだが、2)のデジタル・ポテンショメータを使う場合だとデジタル波形がそのままエンベロープにあらわれてしまうので対策しないといけない。(もちろん3)のフル・デジタルでも)

必要なエンベロープ波形(?)

振幅(Amp)と周波数(Freq)を変調するので、エンベロープは2系統でTR-909の波形を見ると上記2つが必要そう。リニアな補間ではなく時定数っぽいカーブ。

このようなエンベロープ波形をマイコンでリアルタイムで生成できれば、なんとなくアナログっぽいEGとして使えるかもしれない。

トリガ信号


リズムマシンやベースマシンを作ってあるので、これらと絡ませて遊びたい。Kickを楽曲でつかう場合はだいたい4分音符。

リズムマシンにTrigger信号を出してもらってこれを拾って1音分出力できればいい。音程はシーケンサーから制御する必要はないと思うが、アナログ・シンセで言うGate信号を使うようにすれば音の長さをコントロールできそうだが。

MIDI-CVコンバーターを作ればPCのDAWからでも制御できそう。

リズムマシンとのミックス


シンバルとう金物はとりあえずリズムマシンから出力して、アナログ的にキックマシンとMixする。キックだけ別系統で出力すれば単体で歪み系のエフェクトが掛けられると思うので、これも楽しみ。

妄想は広がりますが、ひとりアジャイルが開発スタイルなので一番かんたんそうなところからやっていくつもりです。

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