2020年10月26日月曜日

PCM5102Aの出力に8次多重帰還LPF(ベッセル特性/96kHz/10dB)をかけてみる

以前作ったオーディオ用DACのPCM5102Aを使ったファンクションジェネレーター(PCM5102A_FG)の出力に8次多重帰還LPFをかけてみました。

PCM5102A_FG

設計


PCM5102A_FGは32bit/384kHzですが、出力波形はもろにデジタルのガタガタが現れています。


PCM5102A_FGは波形テーブルを使っているので、正弦波だけではなくプログラム次第で任意の波形を出力できます。過渡特性を良くして波形を崩さないようにベッセル特性で設計しました。

サンプリングレートが384kHzなので半分の192kHzより上を遮断域にすればよいのですが、ベッセル特性は次数を上げてもカットオフ周波数付近のキレが悪いので、今回は様子見としてカットオフ周波数96kHzにしました。

また、PCM5102Aの出力振幅は2.1[VRMS]ですので、使いやすいように利得を10dBとしました。単純計算では6.3[VRMS]の出力となります。

シミュレーション回路図

周波数特性

192kHzでは約-17dBの減衰です。(利得10dBから見て)

ステップ応答

特性の実測


製作した基板

仮想GNDを使って単三電池x6の9Vの単電源を電源としています。OPアンプはNJM4580DDを使用しています。

周波数特性

ステップ応答

PCM5102A_FGの出力にかける



フィルターに10dBの利得があるため、直結すると電源電圧の制限で出力がクリップしてしまうので、途中に10kΩのPOTを入れて出力を減衰させました。

フィルターを通したあともPCM5102A_FGの出力と同じ振幅になるようにPOTを調節しています。

また、今まで使っていた4次VCVS LPF(バターワース特性)も同じ条件で測定しました。

出力周波数は少し意地悪して44kHzとしています。

PCM5102Aの生の出力

4次VCVS LPF

8次MFB LPF


8次MFB LPFでは4次VCVS LPFと比較しても歪さが取れてきれいな正弦波になっています。

スペクトラム


PCM5102Aの生の出力

4次VCVS LPF

8次MFB LPF

高周波数でのピークがかなり取れています。Measure機能でTHDとTHD+Nを%表示させていますが、8次MFB_LPFでは

THD:     0.0843%
THD+N: 1.313%

とかなり良好だと思います。デジタル歪は高調波歪(基本周波数の整数倍)とは限らないのでTHD+Nの値も重要です。

今回はカットオフ周波数96kHzとしましたが、100kHz付近にまだピークがみられます。これは高調波歪のようです。

ノコギリ波


100Hz、1kHz、10kHz、44kHzのノコギリ波を出力して8次MFB LPFを通してみました。

100Hz


1kHz

10kHz

44kHz


ノコギリ波の底の部分で波形が歪んでいます。入力側も歪んでいるのでフィルターに入力する前にバッファを入れれば改善するかも知れません。(←淡い期待)

いずれにせよ、高周波数になると素の波形がはっきりと階段状になってくるので、ノコギリ波では10kHzぐらいが上限だと思います。

この点、アナログ発振器は小細工しなくてもきれいなノコギリ波を得られるので有利だと思います。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿