U1-Aは非反転増幅回路、U3はLME49600自身のバッファで全体として負帰還がかかっている。
U1-Bは負帰還の途中に入っていて意味がわからなかったが、DATASHEETの説明を読むと、出力のDCオフセットをキャンセルするサーボ回路らしい。R10とC5でLPF(fc=0.16Hz)を構成し、LME49600の出力とGNDを比較してU1-Aに負帰還をかけているようだ。
U1-Bの負帰還にはC5しか入っていないので直流の増幅率は無限大になる。(と思う(^q^;
LME49600のLTSpiceのモデル
spiceモデルはTIのWebサイトから入手出来るが、そのままではLTSpiceのコンポーネントとして使えない。ググっても某知恵袋のいじわるな?回答ぐらいしか出てこない(^q^;
少し調べてLME49600のシンボル(asy)ファイルを作ってみた。
LME49600.asy
Version 4 SymbolType CELL LINE Normal -32 32 32 64 LINE Normal -32 96 32 64 LINE Normal -32 32 -32 96 LINE Normal 0 32 0 48 LINE Normal 0 96 0 80 LINE Normal 4 44 12 44 LINE Normal 8 40 8 48 LINE Normal 4 84 12 84 WINDOW 0 16 32 Left 2 WINDOW 3 16 96 Left 2 SYMATTR Value LME49600 SYMATTR Prefix X SYMATTR Description LME49600 High-Performance, High-Fidelity, High-Current Headphone Buffer SYMATTR ModelFile mylib\LME49600.lib PIN -32 80 TOP 0 PINATTR PinName BW PINATTR SpiceOrder 5 PIN -32 48 BOTTOM 0 PINATTR PinName In+ PINATTR SpiceOrder 2 PIN 0 32 NONE 0 PINATTR PinName V+ PINATTR SpiceOrder 3 PIN 0 96 NONE 0 PINATTR PinName V- PINATTR SpiceOrder 4 PIN 32 64 NONE 0 PINATTR PinName OUT PINATTR SpiceOrder 1
LME49600.asyをLTC\LTspiceIV\lib\sym以下のフォルダに置けば普通のコンポーネントの様に使えるようになる。
モデル・ファイルのLME49600.libをLTC\LTspiceIV\lib\sub\mylibに置いてい使っているが、他のフォルダに置くなら
SYMATTR ModelFile mylib\LME49600.libのパスの指定を変えれば使えると思う。
LME49600のシミュレーション
BWはVEE(V-)につなぐとBandWidthが大きくなるので、R1(Rbw)を、ステップ解析で1fΩと1MΩに切り替えて、V-につないだ場合とフロートにした場合のシミュレーションをしてみた。
AC解析
DATASHEETの特性グラフと似た感じなのでちゃんと使えてると思う。
Application Noteのヘッドホン・アンプのシミュレーション
電源系のデカップリングコンデンサは省略した。U2、U3のオペアンプはUniversalOpamp2。
過渡解析
V(n001):入力波形
入力はDCオフセットをプラス側に偏らせてみたが、出力はDC成分が除去されてGNDレベルを中心に振れている。ACカップリングしていないのに不思議なものだ。こういう回路を考えられるのはすごいなぁ。
AC解析
DC成分をカットするために低域(10Hz以下)が減衰している。
サーボ回路を外した場合もシミュレーションしてみた。
低域の減衰は見られず、増幅率も小さくなっている。
OPAMPを交換
アプリケーション・ノートはLME49720を使うようになっているが、Spiceモデルが見つからなかった。他のOPAMPでも大丈夫だと思うのでOPA2134とOPA2604でシミュレーションしてみた。
OPA2134
OPA2604
高域(と言っても100kHz以上)が多少変化している。
ステップ応答
ステップ応答も一応シミュレーション。UniversalOpamp2
V(n001):入力
OPA2134
OPA2604
以前、実際にOPAMPのステップ応答を比較したときと傾向は似ている。
参考:「OPAMPのステップ応答の比較してみた」(GND→5Vのステップ波形で実験している)
メモ:
そろそろ何か作りたい気もするので、作ってみる方向で考えようか。LME49600はバッファICとしては相当優秀なので出力にOPAMPの特徴が現れることを期待。
電池だとヘタりが早そうなので、いずれはAC100V電源を使うつもりでまずは電池駆動かな。
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