OPAMPの品種を変えてやってみると意外と面白い結果になったのでメモ
理想OPAMP
過渡解析
青:入力 緑:出力
OPAMPのモデルはLTSpiceのUniversalOpamp2。
想像どおり入力波形がGND(0.0V)以下だと出力されない。電源の下限がGNDまでなのでそれ以下は出力しようがない。
回路は2倍の非反転増幅回路にしてみた(ボルテージフォロアだとOPAMPにかかる負荷が高そうなで)。
入力は0.5V、0.6V、0.7V(p-p)のサイン波。この値はトランジスタのVbe付近で、特定の品種を指定するとシミュレーションでもおもしろい結果になる。
品種を特定
LTSpiceのOPAMP2を使って品種をいろいろ変えてみた。
LM358
青:入力 緑:出力
定番の単電源OPAMPだ。入力がプラス側の場合はGNDレベルから増幅できている。入力が-0.5Vでは出力がGNDで落ち着いているが-0.6V以下になると出力が反転してしまう。
LM358のDATASHEETを見ると入力電圧の下限は-0.3Vとなっていて、単電源OPAMPと言えども入力が(OPAMPの負電源に対して)負電圧になると危ない結果になるようだ。
NJM13404
これも単電源OPAMP。LM358に比べて両電源で使った場合のGND付近のスイッチング歪が改良されている。
-0.6VまでGNDに落ち着いている。反転した場合の出力電圧もLM358より高く、電源電圧付近まで上がっている。(いいのか悪いのかわからないが(^q^;
NJM2732
フルスイングのOPAMP。電源電圧はMAX 6V。フルスイングだが、出力を見るとさすがに下限はGNDギリギリまではムリなようだ。
NJU7032
CMOSフルスイングのOPAMP。フルスイングとは言ってもDATASHEETでは「出力フルスイング」となっている。出力は完全におかしくて入力がGND(負電源レベル)では使えなさそうだ。
<追記:2016.07.07>
NJU7032のモデル・データがそのままではOPAMP2のValueに指定して使えないようです。
</追記>
NJM4558
定番のOPAMP。出力の下限が1.0V付近まで上昇している。-0.7Vでは反転。
NJM4580
NJM4558の改良版だが、単電源で使うとGND付近ではどうしようもないクズのようだ(^q^;
NJM5532
オーディオ製作系の定番のNE5532のセカンドソース。だがしかし、単電源では(ーー;
あ、いやでも無駄に高い電圧を出力しないという意味では業務用としては正解なのか?
<追記:2016.07.07>
両電源で使って、入力電圧が電源電圧を超えた場合もシミュレーションしてみた。電源電圧は業務用でよく使われる±12Vにして、±15Vを入れてみた。
プラス側で反転するようだ。
TL072
FET入力で入力インピーダンスが高いのでギター・エフェクタ界隈では定番のOPAMP。
あっさりしておる(^q^;
OPA2134
オーディオ用途で困ったらこれという優秀なOPAMP。フルスイングOPAMPをうたってもいないのに、GNDレベルはずれてはいるものの入力が-0.5V付近まで下がってもなんとか持ちこたえている。恐ろしい子。
あくまでもシミュレーションだが、OPAMPの品種ごとに挙動がおかしい時の参考になるかもしれない。
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