PCM2904は単電源で、出力もGND~VDDで振れる。ACカップリングするのが普通だが、LME49600のDATASHEETに載っている参考回路はDCサーボが入っていて、DCオフセットをキャンセルするようになっている。(参考:「LME49600のヘッドホン・アンプをブレッドボードで実験してみた。」)
したがって、理屈の上ではACカップリングしなくてもDCオフセットは除去される。ACカップリングしなくてもちゃんと動作するか確認してみた。
ACカップリング
回路図C1:2.2uF、R3:47kΩにしたので、
fc = 1 / (2 * pi * C * R) ≒ 1.54HzR1、R2は入力レベル調整用のボリュームで、ステップ解析した。
AC解析
実験
配線図
PCM2704の出力を10kΩ/AのPOTで減衰させ、CRで構成したHPFを通してLME49600のアンプ回路に入力している図。このCRを通す場合とバイパスした場合を見てみた。負荷にはLME49600の4PIN(VOUT)とGNDの間に47ΩのRを入れた。
入力信号はWaveGeneで1kHzのサイン波を生成し、PCM2704から出力した。
ACカップリングなし
ch1:PCM2704からの出力 ch2:LME49600からの出力
(2)V:-7.697mv (DCオフセット)
ACカップリングあり
(2)V:1.711mv (DCオフセット)
どちらもDCオフセットはほとんど除去されているが、ACカップリングした方が少なくなっている。また、ACカップリングしないと電源投入直後は出力も+側に偏っていて、じわじわとGNDに落ち着いてくるようだ。
サイン波の場合はACカップリングしなくてもある程度大丈夫そうだが、音楽信号を入れるとそうでもなかった。
ACカップリングなし
ACカップリングあり
ACカップリングしないと出力もプラス側に偏ってしまう。PCM2704の出力に入れている10kΩ/AのPOTを最大付近にした場合だけこうなる。入力を少し絞ればGND付近に落ち着く。
サイン波なら大丈夫で音楽信号だとだめな原因は謎。DCオフセットがあるとヘッドホンの振動版が常に偏ってしまうので特性も悪化するし、ヘッドホンにも悪い。
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