回路図
負荷抵抗RLは100Ωだとクリップのようすがわかりにくかったので、68Ω、100Ω、470Ωにして実験してみた。
ブレッドボード図
入出力
AD9833ファンクションジェネレータジェネレーターのBypass出力を入力した。実験回路の電源電圧は+8.98V。
RL:470Ω
ch1:入力 ch2:出力
入力が580mVp-pで出力は1.360Vp-p。増幅率は1.360V / 580mV = 2.43(7.7dB)で、シミュレーションでは2.7だったのでエミッタフォロワ単体の時と同様、出力の振幅はシミュレーションよりやや小さい。
RL:100Ω
ch1:入力 ch2:出力
出力は-500mVあたりでつぶれている。
RL:68Ω
ch1:入力 ch2:出力
出力は-350mVあたりではっきりとクリップしている。
エミッタフォロワのベース電位Vb
RL:470Ω
ベースの電位はオシロの表示値[V]で3.468V。シミュレーションでも約3.5Vだった。
ベース電位の振幅は1.4Vp-pで、シミュレーションでは1.6Vp-pだったので少し小さい。
RL:100Ω
RL:68Ω
負荷抵抗を小さくしても基準となる電位は変わらないが、68Ωのときはエミッタフォロワのベースの波形も若干歪んでいる。シミュレーションでは歪んでなかった。
エミッタフォロワのエミッタ電位Ve
RL:470Ω
エミッタの電位はオシロの表示値[V]で2.767V。シミュレーションでは約2.75Vだった。
RL:100Ω
RL:68Ω
負荷抵抗が小さくなると下側がクリップするが、基準電位はオシロのマス目で読みとって2.7V前後でほとんど変わっていない。
周波数特性(高域側)
AD9833ファンクションジェネレータのBypass出力で周波数を変えて測定した。負荷抵抗RLは470Ω。電源電圧8.97V。
周波数が1kHzのとき7.7dBだったので、これを基準とすると-3dBのポイントは4.7dBで2MHzよし少し上あたりになる。
シミュレーションでは怪しい周波数特性で-3dBのポイントは300kHzあたりになっていたので、実験のほうが良い結果となった。
シミュレーションの仕方を何か間違えていると思うがよくわからない(@@;
上記回路図で、NPNトランジスタを2SC1815ではなくデフォルトのNPNでシミュレーションしてみると
となるので、2SC1815のModelデータが怪しそうですが…
また、エミッタ接地単体のときは-3dBのポイントは1MHz付近だったので単体のときより周波数で倍ぐらいよくなっている。
測定値
f(kHz) | in(mVp-p) | out(mVp-p) | Av | Av(dB) |
---|---|---|---|---|
100 | 568 | 1360 | 2.394366197 | 7.583811453 |
200 | 576 | 1352 | 2.347222222 | 7.411084164 |
300 | 576 | 1328 | 2.305555556 | 7.255511832 |
400 | 568 | 1296 | 2.281690141 | 7.165133316 |
500 | 560 | 1280 | 2.285714286 | 7.180438853 |
600 | 560 | 1256 | 2.242857143 | 7.016032248 |
700 | 552 | 1232 | 2.231884058 | 6.973432602 |
800 | 544 | 1200 | 2.205882353 | 6.871646927 |
900 | 536 | 1152 | 2.149253731 | 6.645753788 |
1000 | 528 | 1120 | 2.121212121 | 6.531682003 |
2000 | 416 | 760 | 1.826923077 | 5.234405233 |
3000 | 312 | 480 | 1.538461538 | 3.741732867 |
4000 | 256 | 352 | 1.375 | 2.766053963 |
周波数特性(低域側)
低域側はWaveGene+WaveSpectraでスペクトルを見てみた。
電源電圧8.97V 負荷抵抗RL:470Ω
WaveSpectraのFFTの設定は、サンプルデータ数:32768、窓関数:なし(矩形)
オーディオ・インターフェイスの入力モードはGuitarモード(1MΩ)
-3dBのポイントは35Hzあたり。シミュレーションでは500Ωの負荷で30Hz弱だったのでまあまあ同じぐらいだろう。
負荷抵抗RLとC2で構成されるLPFのカットオフ周波数は
fc = 1 / (2 * π * 470 * 10uF) ≒ 33.9Hz
ステップ応答
矩形波だけのファンクションジェネレータで100kHz/1Vp-pの矩形波を出力して測定した。
電源電圧8.97V 負荷抵抗RL:470Ω
ch1:入力 ch2:出力
シミュレーションではあやしい応答だったが、実験では普通の応答。電位も負側にずれることなくGNDレベルで落ち着いている。
Rise Time:180ns、Fall Time:200nsで、エミッタ接地単体のときより応答速度はよくなっている。(エミッタ接地単体のときはRise Timeはだいたい500nsだった)
使ったトランジスタの特性
AVRトランジスターテスターで特性を測ってみた。
Q1(エミッタフォロワ用)
2SC1815-Y
B=164
Vf=710mV
Q2(エミッタ接地用)
2SC1815-Y
B=163
Vf=701mV
メモ:
ステップ応答を見る時、発振しているような波形が見られた。
エミッタフォロワのコレクタに入れている積セラのデカップリング・コンデンサをコレクタの隣の穴に挿すようにしたら良くなったように見えたが、その後元に戻しても発振波形が出なくなった。
ブレボだとなんか不安だけど、ユニバーサル基板でも回路を組むのはそれなりに時間と気力がいるので悩むところです。
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